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【B: ゲーム性】全エピソード(計29本)

1. リスクとリターン

今回のお題、リスクとリターンは当番組カテゴリーのひとつでもある、ゲーム性を考えるのにとても重要な基礎前提になります。 なので他の映像よりも長い時間をとって解説したいと思いますのでご了承ください。 私はフリーになった 2003 年ごろからこの話を展開していますから、すでに聞いた方も少なくないかもしれませんが、そのときよりは短くまとめます。

ゲーム性とは何か。 これはゲームの面白さを表した言葉ですが、その意味は曖昧でした。 これを私は駆け引き、そしてリスクとリターンであると定義しています。

例えば、このゲーム、これはスペースインベーダーです。 1978 年、日本で社会現象にもなったシューティングゲームの始祖のひとつ。 砲台を操作し左右に動くインベーダーを殲滅するというシンプルなゲームです。 インベーダーは横方向に動き、画面隅まで来ると真下に下がります。 再下段まで下がると侵略となり、即ゲームオーバー。

このゲームを例に、リスクとリターンを解説します。 インベーダーと砲台は縦にまっすぐビームやミサイルを撃つので、図のような状態である場合、それぞれの攻撃当たる可能性はゼロです。 これを状態としては、ノーリスクノーリターンである、と定義します。 そして砲台をちょっと右にずらしてインベーダーとの横軸を近づけてみる。 砲台がインベーダーに近ければ近いほど、インベーダーの弾が砲台に当たる可能性が増えるわけです。 なので、リスクは増えリターンは得られる可能性ができる、ということになります。 さらに近づくと、もうインベーダーにやられてしまうという距離に到達します。 リスクとしてはかなり高まった状態にありますが、ここで初めて敵をやっつけられるというリターンも得ることができるわけです。 リスクを冒してリターンを得る、これがゲーム性そして駆け引きの本質です。

なお攻略という要素にも大きく影響します。 駆け引きとは立場が違う言葉で、本質は同じ。 ゲーム性はリスクを抑えてリターンを得るという楽しさのこと。 攻略はリスクを抑えてリターンを得る工夫のこと。 システム側とプレイヤー側の違いですね。

では引き続き、スペースインベーダーを例にとり攻略の話をしてみます。 インベーダーがこのように配置されている場合、インベーダーの攻撃範囲はこのようになります。 ビームはまっすぐ下に降りていくので、真下が攻撃範囲だということです。 トーチカの下が安全地帯になっていることにも注目。 ところがインベーダーは横に動き続けているので、攻撃範囲は斜めになります。 ビームが地面に到達するまでの間に、インベーダーが横にずれているからこうなるのですが、わかりますか? アップにしてみます。 インベーダーが右から左に動く時、インベーダーの攻撃範囲は図のようになりますが、攻撃範囲に砲台が重なるときやれるリスクが生じるというわけです。 この場合、インベーダーを右から追うように迎え撃つと、砲台と攻撃範囲が重なる位置は図のようになります。 リスクが重なってもインベーダーに対する距離が足りないため、リスクが高いままインベーダーをやっつけることができません。 しかし左から迎え撃つと、砲台と攻撃範囲が重なってる面積はほぼ右と同じ。 つまり同程度のリスクですが、見事にインベーダーに弾を当てられることがわかります。 インレーダーは追いかけず、迎え撃つが良い攻略ということになります。 ゲームで試してみても、実際にそうだと実感できるはず。 追うのではなく迎え撃つのが良いと。

そして、リスクを決めるための砲台の横の長さは、ゲームバランスの肝です。 単純にデザインだけではなく、ゲームの面白さに深い意味と調整を持たせる距離なのです。 同じようにリスクを変えるシステムも、ゲームバランスの肝です。 トーチカで半身を隠すことできるとか。 リスクを工夫で抑えて、より有利にリターンを得る、これが攻略です。 だからスペースインベーダーのシステムで、ただ弾を 3 方向に打てますというのは、一見派手だけどあんまり良くないゲームデザインだと言えるかもしれません。 もちろん敵も斜めに弾を打ったり、弾数制限があれば別ですけど。

そして、この古のテクニックを解説しておきたいと思います。 これは名古屋打ちと言います。 インベーダーが侵略すると残り砲台数がいくらあっても、いきなりゲームオーバーになります。 つまり侵略寸前にあるということは、ものすごく大きなリスクを抱えた状態にあると言えます。 がそこでビームに当たらなくなることで、砲台が持つリスクはいきなり大きく軽減されます。 つまり、名古屋打ちは最大のリスクと最大のリターンが重なっている状態なのです。 一つ間違えれば侵略、でも無敵。 これはかなり鋭い仕様だと言えますよね、最高です。 ですが実は、名古屋打ちってバグだと思われます。 インベーダーが弾を発射するその時、弾はこの位置から呼びます。 そりゃそうですよね。 が、よーく観察するとそうではなかった。 インベーダーの弾の呼び出し位置は、本当はここになってます、結構下から。 なので、砲台が最接近していると、弾の呼び出し位置が当たり判定の下に出てしまいすれ違う、ということです。 仮にバグであったとしても、この時代にこういう鋭い仕様が入った、というところがまた面白いですね。

もう一例だけご紹介しておきます。 不朽の名作、スーパーマリオブラザーズについて。 このゲームには、敵を踏んで攻撃に変える楽しみがあります。 これはもちろん楽しいという前提で話を進めます。 楽しみとは主観的なものだから、人によってはおもしろくないよーという人もいるかもしれませんが、それでは話が始まりません。 味オンチだとコックになれないようなものですね。 何が面白いのかを嗅ぎ分ける敏感さは必要だと思います。 マリオの前に敵がいる場合、敵との距離が遠いとやられる可能性はないですから、相手のリスクは小さい状態です。 敵と近付けば近付くだけリスクは段々大きくなっていきます。 さらに接近して大ピンチ。 そんな時にはジャンプして回避しなければならないわけですが、そこで初めて攻撃の可能性が生まれるというところがポイントです。 ジャンプをすることで敵をうまく踏む、つまりリスクが最大に高まったところで亀を踏んでやっつけられるというリターンが初めて得られる、というおもしろさ。 ちょっとでもずれたらアウトとか空中制御の不自由さも、スリルと快感を大きく引き立てます。 その後も亀甲羅を蹴って武器にできるとか。それらを追いかけて高得点やワンナップを狙えるなどという、大きなリターンがあります。 がそういったリターンの中に、亀甲羅が反射して返ってくる、っていうリスクもあるんですね。 非常に良く出来たシステムです。

リスクとリターンはかなり近いところに、適切な大きさに配置しなければなりません。 合致させたりどんでん返しがあるなど、刺激的に織り込むべきですね。

今回はこのぐらいにしておきますが。 かつての講演などでは、このゲーム性についてさまざまな方向でお話ししてきました。 格闘、レース、落ちものパズル、ロールプレイングゲーム、戦略シミュレーション、カードとか。 そういう面白さがだいぶ説明できていましたが、今回は一旦置いておきます。

少なくともゲームの面白さを知るのに、かなり強力な考え方の一つになり得ると思います。 ただ一点だけご注意を。 ゲーム性や駆け引きというのは、ゲーム面白さの 1 つの側面です。 そこに該当しない遊びや面白さも内包しているのがゲームですから、これが全てだとは思わないでください。 こういった話は近いうちにお話ししておきたいと思います。

また、ここまで話しといて身も蓋もないかもしれませんが、私は一つの考えを持っています。 ゲーム性が上がれば一般性が下がる。 初代星のカービィなどはあえてゲーム性を下げ一般性を上げた例だとも言えますね。

ともあれこの番組では、「ゲーム性 = リスクとリターン」であるという前提で進めますので、どうぞよろしくお願いします。

2. ギュッとしてパッと解消

敵が出る、それを倒す。 単純にそれを模倣してもゲームにはなるけれど、その意味は少し見つめた方が良いですね。 今回は概要だけ。

ゲームっておかしな部分があって、ストレスをかけて解消する、ということが面白さの核になります。 ストレス自体は面白くないけど、ぎゅーっとストレスをかけてパッと解消することで、気持ちよさ、快感を得られると。 普通に考えてなんかおかしいでしょう? ストレスになるけど楽しい。 自身を痛めつけ圧迫し、それが解消されるとスッキリとするんですと。 ふーん、客観的にみると最初からストレスなんてない方が快適で気持ちいいんでは。 だけどゲームする人ならば、それなら面白くならないだろうと理解してくれますよね。 ストレスは嫌なことだけど、だからといって雑草を抜くように、取り去ってしまってはいけません。

何らかのストレスを与える。 これは敵でも障害でも謎でもいいですが、クリアしなければ進めない障害がある。 そしてそのストレスを解消することでスッキリする。 まずこれが第一段階。

うまくクリアできたら、できればそのストレスをより効果的に解消できるよう道筋につなげる、ご褒美を出す。 例えば経験値やスキルが手に入れば、強くなることでより強い敵に立ち向かえるとか。 お金を得ることで装備を整えるとか。 単純に先に進めるようになるというのもリターンにはなりますが、多少の選択幅を持たした方がゲーム性は上がりますね。

ストレスをかける、解消する、それに立ち向かえるようになる、という流れを見直せばより楽しめる流れが見えてくるかもしれません。

単にほかのゲームにありがちなことを真似るのではなく、元からの意味を考え直せば、より斬新なゲームができる可能性もあるかも知れませんね。

3. RPGのゲーム性

ロールプレイングゲームといっても山ほどあるので、かいつまんでゲーム性をガイドしたいと思います。

まずロールプレイングゲーム系なら、危険地帯に踏み入ることは必要だと思います。 奥に進めば進むほど敵が強い、そして怖い。 だけど、それ以上のリターンを得られる可能性があるのでつい無理をしてしまう。 無理して進むか、安全なうちに戻るか。 やられると失う戦利品が多くなっていることも含め、リスクとリターンが成立しています。 いつでも安全な場所に帰れたり、リソースを考えなくていいタイプのゲームは、そういったものより少しカジュアル寄りになります。 が、ヒリヒリした遊びは体験しにくいか、というとそうではないです。 1 回の戦闘におけるミス確率を上げるなど、総合バランスを取ればよいです。

戦闘については、アクション性のある戦闘の場合、アクションシーンとの兼ね合いを考えた方が良いので、リアルタイムでない戦闘について考えていきます。 敵が出てきた時、その見た目や性質からあたりを取ります。 この敵は炎に弱そうだとか。 試してうまくいった場合、それを経験にすれば良い、プレイヤーの経験ですね。 相手の弱点を突き、同じ戦力でより良い結果を出すのは、攻略でありゲーム性です。

ただプレイヤーがそこまで考えてくれるとも限りません。 カジュアルにするには、あんまりやりすぎない方が良い場合もあります。

ペルソナなどだと弱点を突くことで連続攻撃ができるなど、よりメリハリをつけて調整されていることと思います。 ゲームのシステム上で、弱点を突くことを促されていることなど、バランス良く出来ています。 駆け引きに沿ったゲームの仕組みが必要です。

ロールプレイングゲームの移動部分と戦闘部分で 2 つ、ゲーム性の実例を挙げてみましたが、ロールプレイングゲームというくくりはもっと広くて複雑です。 既存のシステムにこだわらず、駆け引きを演出してみてください。

4. ゲーム性以外の面白さ

早めにお話ししておきたいことですが、「ゲームの楽しみ = ゲーム性」というわけではありません。 ゲーム性はゲームの面白さの一部であって、やはりゲームには多様性があります。 ゲーム性によるものではない、ゲームの楽しさを持つジャンルを、合計 7 つほどあげておきたいと思います。

まず 1 つ目、操作が楽しいもの。 ビデオゲームは操作をするだけでも楽しいと感じさせることができます。 モニターの中という、自然の法則から解き放たれる空間は、現実世界に生きる我々にとって、実に不思議かつ魅力的なものです。 操作をするだけで楽しくさせるには、適切な仕様や操作感を敏感に汲み取り、調整する技術などが必要です。 ちなみにラジコンなども操作感で楽しくさせる媒体ですね。

2 番目、アドベンチャーゲームとかサウンドノベルですかね。 このジャンルのゲームは駆け引きなどよりも、物語を進めることによる面白さが先立ちます。 小説や映画などの延長線上ですが、だからといってお話しさえ面白ければゲームが成り立つわけでもありません。 小説などと異なる表現方法、コンピューターを生かしたシステム、それを生かしたシナリオ作りをすることが、ゲームとしてのお話、妙、面白さを見ます。 同じストーリーものでも逆転裁判あたりになると、駆け引き色が強くなっていくように、非常に曖昧な強化性を持つ場合もあります。

3、ムービーやストーリー重視のもの。 前の項目と近似していますが、これはゲームジャンルを問わずにくっつけられるものです。 単純に映像やお話が楽しいことは、ゲーム性ではないということはわかりやすいと思います。 が、ゲーム性を盛り上げる重要なエッセンスにはなり得ます。 先に進みたい欲求は、より頑張ってリスクに立ち向かう原動力になりますから。 キャラクターや世界をしっかり見せることで、ユーザーがよりイメージを深めることができ、ゲーム画面の体感度を高めることができるという利点も大きいですね。

4、版権ものやキャラクターもの。 このジャンルは 映画、おもちゃ、カードなど、その作品のファンのために向けた商品群として見るのが良いと思います。 なので一般的には、ゲームが面白いか面白くないかそのものより、その作品世界をしっかり楽しませることができるかどうかの方が重要視されます。 逆に言えば、その作品のファンでもない人が評論するのは、あんまり意味がありません。 このジャンルにおいてゲーム性だけを語るのは野暮ですね。

5 番目、実在モチーフの再現。 戦略系ではないリアルシミュレーションゲームですね。 疑似世界でごっこ遊びを楽しむ、これもゲーム性以外の非常に楽しい要素です。 例えば、電車のゲームで電車が駅に着いたとき、扉が開く「ガラガラガラ」という音や、お客さんが入ってくる「ゴトゴトゴト」という足音みたいなものを出すと、プログラムから見れば効果音を 1 つ 2 つ呼んだだけなのに、プレイヤーはあたかも扉が開いた、お客が入ってきたかのような、モニター外の世界観を感じることができます。 現実に近づけることで、ゲームで表現している以上の情報量を、プレイヤーが受け取り、より深みを感じられる。 もちろんゲーム性を増すことはできるのですが、それだけではない楽しみに満ちていると思います。

6 番目、エディット・クラフト系。 これは工作するだけでも、ゲーム性と関係なく楽しむことができます。 が、その仕様の中に、高所から落ちたら死んでしまうとか、敵から防衛するために工作するとか、素材を得るために危険を冒すなど、リスクとリターンを絡めると、飛躍的に面白くなる可能性があります。 ところで前述の、実在モチーフの再現と通ずるところもあります、ごっこ遊び的な。 これを合わせた例は、「Minecraft」よりも「どうぶつの森」の方が顕著かもしれませんね。

7 番目、音ゲー。 リズムに合わせて音を鳴らすという楽しみは、ゲーム性よりももっと原始的な喜びに基づくものです。 人間は純粋にそれを楽しめるようにできています。 それとこのジャンルは、何度も聞いて馴染んだ曲であればあるほど、楽しめることと思います。 曲を覚えることを前提にして、それに合わせてリズムを刻むことはやっぱり楽しいですよね。 ただ作りによっては駆け引きも生まれるし、リスクとリターンを取り入れることもまあ可能です。 ビートマニアシリーズなどがそうなっていますが、最高に良いパーフェクトのタイミングから少し遅れると失敗。 これが、パーフェクトから離れるほどグッド・バットになっていくような柔らかいシステムにすると、駆け引きが下がり少しつまらなく感じられるはずです。

以上です。 今回の話に含めるかどうかを考え、結局外したゲームジャンルがあります。 それはスポーツもの。 本物のスポーツ自体が、何らかの駆け引きが必ずあるはずです。 それをコンピューター上で体現した時点で、すでに何らかのゲーム性は兼ね備えていると言えます。

またスポーツ観戦は応援するチームがあってこそ成り立ちます。 プレイヤーが応援すべきは当然操作しているチーム。 実際の世界に応援するべきチームがあり、それを操作していることとなればさらに、一喜一憂できることと思います。 こういったものは、ゲーム性を新たに設計する必要性が薄いですが、ないとは言いません。 同じく自然に駆け引きが発生するものも結構あります。

ゲーム性がゲームの面白さの全てではないし、それぞれの楽しみはゼロかイチかではなくて曖昧につながっています。 境界線はありません。 素直に楽しいことを感じられ、それを噛み砕くことができれば、より幅が広いことができるようになる可能性もあるので、ぜひ敏感になってみてください。

5. 悪魔の釜

ゲームの難易度は、イージーノーマルハードの中から設定する、というようなゲームがほとんどです。 今もそう、そんな中、新光神話パルテナの鏡で、悪魔の窯というシステムを作りました。 これはゲーム性という観点では、なかなか鋭い仕様を持っているのではないかと思うのでご紹介します。

ステージを開始するとき、悪魔の窯が出現します。 これは本気度を決めるもの。 本気度2.0が基準です。 しかし、悪魔の窯にハート、つまりお金をつぎ込むことで、本気度をどんどん上げることができます。 本気度が上がればゲームの難易度が上がります。 敵はより攻撃的になり、攻撃力と防御力が上がり手強くなるので、ちゃんと準備や戦略を考えることが大事。 反面より儲かるようになります。 クリアできればより多くのハート、より強い神器や奇跡が手に入ります。 ただミスをすると、悪魔の窯のハートを少しこぼしてしまいます。 コンティニューした時の難易度は下がるけれど、掛けたハートが少し無駄になるし、良い報酬を少し得にくくなります。 難易度を下げたい場合、ハートを払って本気度を下げることもできます。 最低の 0.0 まで下げればほぼ無敵、クリアは確実でしょう。

リスクとリターンという観点からは、このシステムにおけるメリットは明確だと思います。 ハイリスクにするとハイリターンが得られる、難易度調整という意味からも斬新です。 システム上やられれば難易度は勝手に下がるので、行き詰まることが少ないです。 屈辱感はいくばっか、ぬぐい食いきれないかもしれませんが、やられ続けて「イージーモードにしますか」などと聞かれるような嫌さはありません。 また従来のゲームのようにイージーで進め続けることで、単に手応えのないゲームのようになることも防げるかもしれません。

本気度 0 まで下げればかなり楽になるので、難易度が高すぎてついていけないということも補えます。 と、リスクとリターンが体現されたシステムなのですが、問題点もあります。 まず曖昧な話ですが、ゲームの手触りがハードになりすぎる。 常にギリギリを突きつけられているように感じると、あんまりカジュアルにはなりません。 パルテナの鏡は、地上ステージをやや広くしすぎ、敵が満遍なく配置されすぎ、またその場復活も実現できなかったので、少し噛み合わせが悪いところもあります。

ゲーム性、駆け引きやリスクとリターンは、非常にゲームらしい遊びをもたらしますが、反面ゲームを厳しいものにする側面もあります。 3DS だと小さい画面なので、より大変ですよね。 それと本気度に 2 以下に下げると、難易度も下がるという周知が足りないような気がします。 こういう仕組みが必要なのは主に初心者。 制作当時を思えば、手が回っていなかったことは確かですが、もっと初心者の導入に対して色々できればよかったなぁとは思います。 現代の作品はゲーム中に自由に難易度を変えられ、それに対して何の制約もないというのが一般的です。 当然必須だしそうあるべきとは思うけれど、よりうまくプレイした人を褒めたい気持ちもあります。

反省点はあるのですが、それでもするどい仕組みだと思う悪魔の窯。 難易度における考え方に対して、今なお新しい形として、参考になるのではないでしょうか。 なお、スマブラ 4 やスマブラスペシャルの一人用でも、悪魔の窯と同じような要素を入れていますが、新パルテナほど稼ぐ必然性をなくしているので、それほど重要ではないかもしれません。

新パルテナ、強気ゲームとしてやりたいですよね どこかがペロッと移植してくれないかな。

6. ズルを許す

攻略というのは、いかにプレイヤー自身が損をせず得をできるのかという遊びです。 こう噛み砕くと、実際の攻略という言葉のイメージとは異なるかもしれませんが、様々なものに置き換えやすくなると思います。

繰り返しますが、損をせず得をするという遊び。 損の大きくする代わり、得はもっと大きくする、という遊び方もあります。 そう考えながら例えば、以下のゲームについて考えてみてください。 アクションゲーム、FPS、格闘ゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、ギャンブル系。 駆け引きみえたものがあるゲームではおおむね当てはまると思います。

ところで、ゲームは複雑な組み合わせによって構成されるので、ちょっとしたズルができることがあります。 つまり一方的に得になること。 ダークソウルで、とあるところに陣取ると、敵がポロポロ自滅しソウルが儲かるという現象がありました。 ちょっと再現ビデオは取れないと思いますが。 こういうバランスブレーカーになるところが見つかると、デバッグ段階で丁寧に潰してしまいがちですが、こういったところが逆に面白く、また印象に残ったりします。

あのドラクエでさえ、メタルスライム狩りなど明らかに大きくお得であることを盛り込んでいますよね。 ドラクエは戦闘バランスなどを丁寧に取っていますが、下手をするとメタルスライム系を狩るだけで、多くの戦闘をパスして良いかのような稼ぎができてしまう。

でも明らかに楽しいでしょう。 プレイヤーの印象に残りますよね。 プレイヤーは必死でズルをします。 リセットチャレンジなんかもそうですよね。 勝つまでリセットすれば勝てるのは当たり前だとも言えるのだけど、それも含めて楽しみになり得るという。

内部パラメーターを書き換えるようなものはさすがに論外だとしても、ゲーム内でできるある程度のズルは許容した方が良いと思います。 完全に平坦な道を進むのはあまり面白くないですからね。

7. 浮遊感は落ちてこそ生まれる

何らかのゲーム企画を立てたとき、自由に空を飛ぶという気持ちよさを演出するならばまず、落ちる仕組みやペナルティを加えましょう。 ペナルティは、空を飛ぶのに何らかの下準備がいる、という感じに置き換えても良いです。

空を飛ぶゲームなら、気持ちよく空中で操作できるようにしますよね、それはそうですが。 だけどそれと相反することを織り込むことで、初めて実感が湧いてきます。 飛ぶゲームだったら落とす。 高速で進むゲームだったら、遅くなる条件も入れる。

例えば初代エースコンバットで飛行していると、海の上に長い橋がかかっていました。 なぜかその下って、くぐりたくなりますよね、こうやって。 実際潜ったら気持ち良い。 気持ち良いと感じるのはそこにリスクがあり、クリアした実感があるからです。 橋にぶつかるとアウト、水面にぶつかってもアウト。 それを上手に切り抜ける遊び。

単純に空しかなくて、地上にぶつかることのないゲームを想定すると、こういった緊張感は生まれません。 そういう意味からは、宇宙空間を舞台にしたフライトものは、大気圏内のものよりもまとめるのが難しいことがわかります。 また、同じ空戦ものだって高高度でただ敵を打つより、地上や起伏を舞台にする方がまとまりやすくなることだってあります。 超能力がその他の何かで、空を飛んだりするような動作を気持ちよくするには、ちゃんと対象となる地上や地形に対する仕草を正しくしていく必要があると私は考えています。

カービィのエアライドにおいては、地形のギャップを踏み切るとマシンが飛びます。 踏切ポイントを探す遊びや、飛べるエアライドマシンと飛べないエアライトマシンの混在などが、飛んだ時の気持ちよさをより深めるんですよね。

何らかの仕様を入れると決めた時、それに相反する要素も一考しましょう。 自らの攻撃と敵からの攻撃がセットであるように、リスクとリターンは表裏一体です。

8. はたして敵は必要なのか

おばあちゃんおばあちゃん、何で敵を倒すの?

それは敵を倒してパワーアップするためさ。

なんでパワーアップするの?

もっともっと強い敵を倒せるようになるからさ。

とか言ったらまあ身も蓋もないですけれども。

ゲームには一部のストーリー主導型ゲームやパズルゲームだと除いて、かなり多くの作品に倒すべき敵が出現します。 ゲームをやらない人にとっては、傍から見て心配になるのではないかなと思うほど、敵を倒す、倒す、倒しまくる。 これ本当に必要なのでしょうか。

当たり前のようになっていることは、理由があるからそうなっています。 しかし疑問を持つことは良いことかと思いますので掘り下げてみます。

一部を除く一般的なゲームは、ストレスをかけ、それを解放することで楽しさを得ます。

障害がある。 障害はつまり、ストレスです。 それを排除する、これは解消。 シンプルにすっきりする瞬間です。 排除のご褒美あるいは経験で強化される、これは成長。 先に対する期待もできるしより高い満足感も出ます。 それによってさらなる障害を排除しやすくなる、これは進展。 つまり先に進めるということ。

ストレス、解消、成長、進展。 最初のストレス以外の 3 つには、ゲームとしての楽しみがあります。 それらはストレスが、最初のストレスがなければ成り立ちにくいので、やっぱり障害は必要そうですね。

例えば UNDERTALE は、敵を倒さなくてもクリアはできるようになっていますが、ちゃんとストレスはかけてきます。 むしろ無殺クリアの場合、直接的な排除することができなくて、ストレスはさらに増大するかも。 で、増したストレスが解消されるのは格別ですし、それをすることでより良い進展に対する期待もかかります。 こういったストレスを司るのは、直接的な敵やゲームシステムばかりとは限りません。

例えばアドベンチャーゲームで、主人公やその友達に危機が訪れる、これはストレス。 それを何とかして解消したり先に進めるようにすることは、それなりの楽しみは喜びがあります。 コストを支払うのもストレスと解消。 支払いがあることで貯め込みが楽しくなるという側面もあります。 無限に資材だけが増えて、使い道も何にもない採掘ゲームがあってもしょうがないですよね。

結論としては、ゲームとして敵を抜くことはできるのだけど、敵に該当するストレスと解消は必要。 できれば、進展・成長は積極的に取り入れられる、ゲームデザインにした方が良いですね。

9. ごほうび要素はまっ先に

特に敵を倒すゲームなら、敵を倒した時やミッションクリア時に、報酬、ご褒美を入れることが不可欠です。 古い作品にもスコアぐらいあります。

それではさすがに物足りないので、パワーアップ、お金、経験値、スキル、ポイントなど、何らかの報酬が入ります。

そういったご褒美がなくてもゲームにはなり得ます。 先に進めること自体がご褒美だとも言えますし。 しかしそれだけでは今時のゲームの動機付けとしては今 1 つですよね。 ご褒美は何より、ゲームを進めるための欲求の源になるので、是非折り込んでいきたいです。 ジャンルなどにもよりますが、ゲームの骨組みができたら真っ先に考えても良いところです。

お金やポイントなどを含む数値が溜まるようなご褒美は、それを消費するのとセットです。 消費して得られるものに全く魅力がなかったら、あるいは適切ではなかったら、あんまり良いものにならないでしょう。 数値の見せ方として、素材というのもありますよね。 素材を集めて別の何かを作る、これは儲かっている感じを得られたり、それで作られる何かの必要度が高いことが大事。 特に有効な手立てとは言えます。 他にもコレクションが溜まる系のご褒美、プレイヤーキャラクターや装備が得られる系のご褒美などがあります。 溜まった数値で交換できるようにするかどうかは、その企画の狙いどころ次第でしょうか。

ちなみにプレイヤーとしての私の場合と感想、そのご褒美を収集する遊びというのが、楽しくもめんどくさく感じることもありまして。 例えば、素材や報酬を集める楽しみが、いつまでもいつまでも集めさせられ続けるという風に思うと、ちょっと嫌になることもあります。 ただそれだけ重要な要素ではあるんですよね。 例えば、スマブラスペシャルにおいて、スピリッツをご褒美にせず最初から全て揃ってる状態だったら、喜びもへったくれもないわけで。

はまるゲームにご褒美は不可欠。 途中でも言いましたが、真っ先に考えて良いところです。

10. 対戦は複雑になるもの?

現在の対戦ゲームに飛び込むのは、なかなか勇気がいります。 ゲームが複雑すぎて、ついていけないと感じる人も少なからずいるのでは。 完成してもルールとか意味がわからないとか。

では対戦ゲームはシンプルに作れないのでしょうか。 例えば、対戦型格闘ゲームにおいて、歩行もできずパンチを 1 種類だけ繰り出せる、これでは駆け引きの生まれようもありません。 ボタン連打するだけでつまらないですよね。 そこに歩きを入れる、一応間合いという概念ができましたが、まだまだです。 そこでパンチとキックが放てるようになった場合、キックの隙がパンチより大きく、外したら攻撃できるなんて感じにすると、少し駆け引きができてきます。 ジャンプができる、ガードができる、投げができる、こういった仕様がゲームをどんどん奥深くしていきます。

マリオブラザーズを対戦ゲームとして捉えた場合、面白いですがこれでずっと遊び続けるのは難しいところです。 対戦格闘ゲームが出てきた時、少なくともそれまでのアーケードゲームよりやれることがすごく多く、奥深いと感じられました。

それまでのアーケードゲームというのは大抵の場合、1 ボタンで 1 アクションです。 強いて言うなら、しゃがみ攻撃やジャンプ攻撃ができるくらい。

特に初期のアーケード対戦格闘ゲームとしては、1984 年に「対戦空手道」という作品が出ています。 画面は一つ前の空手道ですが、システムは同じようなものです。 なんと 20 種類以上の技があります。 そして、1987 年のストリートファイター、この段階では技を出すのが難しすぎ。 ただ操作をさせるだけでも、精一杯。 駆け引きを感じるのは少し難しくありました、楽しかったですけど。

その段階においてもすでに、使いこなしはともかく、技は多いわけです。 単純に一つのパンチとかキックを繰り出すだけでは成立できない。

もちろん、格闘ゲームの火付け役はストリートファイター 2 ですが、しっかりした駆け引きが設定され、多くの技に役割が適切に振られると、ものすごく奥深くなるわけです。

では、ゲームは奥深さを求めればいいのかというと、もちろんそれだけではありません。 カジュアルに楽しめることだって大事。 だけど、何百回も遊ぶことに耐えられるものであれば、多かれ少なかれそれに対応できるシステムの深さが必要になってくるのでしょう。 広く深くというのはさじ加減が難しいです。

私の制作の目指すところでもありますが、それでも感じ方はいろいろあるのでは。 歴史を繰り返してきたジャンルにおいて、さほどの駆け引きを生まないのに複雑なルールがあるということは、たまにあるかもしれません。 制作にもプレイにも慣れてしまうと、それを当然だと思ってしまいがちですが、開発開始のたびにシステムやルールを毎回見直すことをおすすめします。

私も毎回見直しを行うため、スマブラのジャンプ仕様などは毎回違いますけどね、全部違います。 要素が複雑になるのはある程度仕方がないですが、当たり前を当たり前に思わない姿勢は必要だと思います。

11. 落ちものパズルのゲーム性

パズルゲームといってもいろいろありますが、ジグソーパズルのようなものは駆け引きを持ちません。 どちらかというとその楽しみは、組み上がっていく達成感によるものかなと。

かの有名なテトリスは、誰もが知ってるぐらいのゲームでしょう、とても面白いです。

テトリスは、ペントミノというパズルゲームをもとに着装されています。 ペントミノは、いろんな形の12個のピースを四角く綺麗に収めるパズル。 だけどペントミノはジグソーパズルと同じで、ゲーム性がない、一方、テトリスにはゲーム性がある。 この違いはやはり、リスクとリターンがあるからです。

落ちものパズルのリスクは、積み上がっていくブロックそのもの。 積めば積むほど、考える時間が短くなっていきます。 で、そのリスクに対し、綺麗にラインを揃えて消すとリスクが下がる。 まとめて消せれば、準備的にリスクが高まる分より気持ちよくなると。 落下するテトリミノの速度が上がっていくという仕様も、リスク上昇による刺激に絡んできます。 後の移植作品から出た要素ですが、テトリミノの着手後に回転させたりずらしたりすることで、リスクギリギリのところで粘れる仕様も、リスクを引きつけるという意味で大事ですね。

なおペントミノも対戦にして、ある程度のルールを敷けば、ゲーム性が生まれてきます。 ピースの配置に試行錯誤が必要なので、そのトライ&エラーのルール化も必要になるかもしれませんけどね。 落ちものパズルは、非常にシンプルかつ直感的にゲーム性を理解できるジャンルです。 単にブロックが消えるというところから企画を始めず、消すことがなぜ面白いのかということをよく考えてみましょう。

以前ご紹介した「メテオス」を企画したとき、メテオを打ち上げるという基礎的なアイデアを考えるに至った所要時間は 5 分でした。 落ちものパズルが苦手なのにそれができたのも、このジャンルのゲーム性がいかに生じるのかを先に理解していたからです。 ゲーム性の原理がわかっていれば、苦手であっても迅速に考えることができると思います。 今後もゲーム性カテゴリーなどを参考にしてみてください。

12. やられるとスッキリする?

とある海外の研究において、対戦型 FPS でやられた時、相手を倒した時には不安を感じ、相手に倒された時にホッと安心するという結果が出たそうです。

それは普通は逆なのでは?と思いますよね。 でも考えてみれば思い当たる節はあります。 ストレスからの開放感があるということなのでしょう。 これは確かにゲームの楽しさと言えますね。 詳しくは拙著「ゲームについて思うこと X」148 ページに載っていますが、ざっくりかいつまんで思ったことを連ねてみます。

まずゲームのキャラクターというのは、感情移入の対象でない可能性があります。 自分のキャラクターが倒された時、もし感情移入の対象であればがっくり来るはずですよね。 でもそうではないらしい。

次にルールが残念感を駆けつけ。 時間内で継続するにしても、別のゲームで再生するにしても、リスタートが比較的早いのであれば、次に次にと進められるのであまり尾を引かずに済みます。

それと相手を倒すこと自体がリターンではない件。 目的は最終的に勝つこと。 相手を倒して決着がつくような瞬間でない場合、まだ最終目的に達していないのだから油断できません。 相手を倒した時には、自らも倒される未来を見ているのかも。

そして敵を倒した方も倒された方も、それぞれで面白いと思えるのであれば、それは娯楽として最高であること。 個人的には特にここが注目したいポイントです。 負ければ悔しい、気分が悪い、でも次をやっちゃう。 リトライなどの動線も含めよく考えておきたいことだと思います。 必ずしも「対戦 = 制圧による快感」ではないということ。

13. 単調な坂は山登りにならない

ロールプレイングゲームなど、キャラクターが成長する作品において、想定されるマイキャラの強さとすぐにつれて強くなる敵や障害。 それぞれの強さをグラフで示すと、双方がまっすぐ右肩上がりになっていると思いがちですが、これはやっちゃいけません。

本当は二次曲線、尻上がりになるようなことが多いですが、それも置いておきます。 単純にマイキャラの強さと敵の強さが正比例しているような状態というのは良くないです。

例えば、山登りで同じ角度の平坦な坂をただ上がるって辛いですよね。 情景も同じようなものがずっと続くとか、休憩地点も定期的に出てくるだけであるとか。 これでは何の喜びも生まれないと思います、いわば作業、本当の山登りにはありえませんが。

実際のバランスは、例えばこんな感じに、凸凹するのが良いかと思います。 乗り越えなければならない困難もあるし、少し楽にある平地もあるような。 壁はいわゆるボスなどで構成されるのが一般的でしょうか。 周りよりもボスが強いというセオリーによって配置するのではなくて。

ボスのような困難を置き、その攻略をしっかり考えさせ、うまくクリアできた人々にそれなりの報酬を出すという流れに持ち込むのが良いです。 そして平坦なところも用意した方が良いですね。 敵が常時で続けるのではなく、何もいない空間をあえて作るとか。 儲かる場所を適切に配置するのも有効だと思います。 こういった施策は、ゲームの探索をより楽しくしていきます。 実際のゲームはもっと複雑で、例えば、ある程度の自由度を持って、あちこちに進めるようなことも多いと思います。 こういった場合、ちゃんとしたシーソーバランスでゲームを作るのは難しいことと思います。

マイキャラに合わせて敵を強くするようなシステムを入れてしまうと、稼ぐ意味がなくなってしまう。 こういった場合の解決方法もいろいろ考えられるとは思いますが、攻略をうまく残す方向でまとめられると良いですね。

14. リトライは迅速に

ゲーム中、ミスをしてリトライさせる時、そのゲーム性や狙いによっても変わりますが、再開は極力迅速に行えるようにしましょう。

それによりゲームを投げ出さず、再チャレンジしてくれる可能性が増えます。 プレイヤーに何の感情も与えない時間をなるべく抑え、演出は短めに絞り、ローディングなども極力短くすると。

リトライ時、どれだけのペナルティとやり直しが生じるのかも、投げ出すか否かの要因の一つですが、実はそれよりも大きい要素。 再開は迅速に、これは難しさや困難への許容量というのを増します。 やられたダメだったと思った瞬間の後、落ち着いてから次にゲームで操作できるまで。

この時間は、プレイヤーが急速に冷める時間です。 長く置けば置くほど、どんどん冷めていってしまいます。 冷める前に、操作のバトンをプレイヤーに手渡すことができれば、とりあえず操作を始めてくれます。 そして少し進めれば、次のやる気も出てくることでしょう。

ゲームがただ単純に動き出すというだけではやや厳しいです。 プレイヤーが操作できるようになるというのがポイント。

単純にメッセージ送りできるというだけでも良いですが、ゲームからのリアクションが生じる時間を早くするに越したことはありません。 とはいえ、ミスした時、その場復活などが無限にできることで、何も考えなくてもクリアできるっていう風に思わせてもいけません。 ここはさじ加減です。

やられた時にはちゃんとやられたと思わせる。 そのための演出は、短い時間で派手にスソーンと入れる。

ゲームのジャンルによりますが1秒とか数秒で良いと思います。 あんまり長くしない程度に。 その後、なるべく早く、迅速に操作できるようにすることがおすすめです。 ただし、復活した直後に敵が襲ってくるようなことは避けた方がいいです。 もしも、難易度が高くコントローラーに触れてもいないのに、勝手にやられ続けるようになった場合、操作するのも嫌になっちゃうので。

重ね重ね、ゲームの狙いにもよるし、ペナルティの大きさにもよるのですが、理屈を理解した上で適切な仕様を狙えると良いですね。

15. やり直しに見合う魅力はあるか?

デモンズソウル、ダークソウル系のヒットなどの影響もあり、2010年代後半から現代に至るまで、高難易度ゲームが増えています。 互いにそれらの影響を受け、さらに増えている印象もあります。 特にパーマデス、もしくはそれに近い仕組みを持つもの。 つまりミスしたらやり直しになるもの。 ローグライクやローグライトなどが、ジャンルとしても多く見られる印象です。

話が脱線しますが、ローグライクとローグライトについて説明しておきます。 親切な解説です。

ローグライクというのは、ざっくり言えば、ダンジョンやアイテムがランダム生成され、死んだらやり直しになるもの。 そして、味方と敵のターンが交互に訪れます。 PCゲームの黎明期に、ローグという作品がありそれに似たものです。 日本では不思議のダンジョンシリーズが有名。

一方、ローグライトはその要素を含むものです。 定義は人によって差が出るでしょうけど、アクションゲームなど、ローグとジャンルが違えばだいたいローグライトです。 アクションや演出はキビキビとして気持ちよく、やられるとランダム性のある装備やアイテム、あるいは展開で変わったプレイ体験を提供する。 高い評価を受けているタイトルも多いです。 ローグと同じならローグライク、それ以外の要素を挟むならローグライト。 ただ、ローグライトという言葉がある時に生まれる区分なので、全てローグライクと言ってしまって差し支えないと思います。

話を戻します。 このミスしたらやり直しという仕組みは、インディー系のゲームにはとても合います。 ゲームはどうしても根本的に、同じようなことを同じように繰り返して遊ばさざるを得ないものだから、リソースをあまり多く作れないインディー系のゲームには都合が良いです。

だけどちょっと考えてみて欲しいです。 お客さんだってずーっとやり直しになり、ずっと同じものを遊んでいたいというわけではありません。

ゲームを先に進めるには動機が必要です。 主な動機は先を見たいということになりますが、その欲求が出てくるためには、先に対する期待を見せなければなりません。 つまり先を見たいと思わせる魅力が、ゲーム内に必要だということです。 魅力もないのに、十分な変化も見られないのに、いつまでも同じようなプレイをしてくれるわけはありません。

難易度などによる配慮も必要だと思います。 想定よりも詰まってる人が多い場合、その人が見ている意識は、何か、いつも同じ景色ってことになるかもしれません。

ダークソウルなどは、先に進みたいという強い気持ちにより、進められます。 人によってはフロムソフトや、あるいは宮崎さんへの信頼によって成り立っているのでしょうね。

なのにシステムだけ真似て、先を見たい期待や動機付けを行っていないタイトルは、プレイしていられません。 どのぐらいで先に済ませることを想定できるのか、それはゲームのボリュームや展開、肉付けなどによって決められるべきものなので、他のゲームが高難易度だからと、あるいは慣れている自分がギリギリクリアできればOKだと、決めつけない方がいいですね。 私自身はゲームをよくしますが、こういった作品は正直早めに見切りをつけることも多いです。 同じ時間を費やすなら、より多くの作品に触れて新たな刺激を受けた方が良いですからね。

作品のそれぞれでどこまでの魅力を提供できるのかは、作り手としてはよく考えた方が良いでしょう。 特に同じ場所で何度も使えてしまった時のことは想定すべきですね

16. シューティングゲームのゲーム性

このカテゴリーの 1 番最初、ゲーム性の解説においてスペースインベーダーを例に、ゲーム性と駆け引きのお話をしました。 ここはゲーム性というパートにおける大前提を話していますから、是非ご確認いただければと思います。

今回は昔ながらのシューティングゲームにおいて、具体例を上げながらえもう少し掘り下げてみようと思います。 リスクをとリターンを得られる、これが駆け引きゲーム性の基本だとしたら。

ダライアスというシューティングゲームを見てみます。

これは画面が横長な上、画面上を出てくる弾数が少なく、よく玉切れを起こすのですよね。 普通弾がバンバン出ないと気持ちよくないですが、駆け引きを生むのには成功しています。 横長画面が見えにくいのでメガドライブ版で。 スクロールの後方にいると玉切れを起こしやすいです。 前方に強い連がきます。 ボムも同じで、敵や形に近いほど連射でき、遠ざかると連射ができません。 このゲームはボスの戦闘が売りですが、敵から離れてリスクを低くしている場合、当たるた数も少なくてリターンも少なめ。 逆にボスなどに泊するとどんどん連射できて、早く倒せたりします。

グラディウスなどパワーアップシューティングにて、ぶつかるとミスになる地形に敵がいたりすることは、それだけでリスクになります。 うまく倒すことでリターンになる、地形のそばにパップが配置されたり、地形に近づかなくても倒せる武器に一長一短があることで、ゲーム性は広がります。

例えばこれはダブル砲、上にいる敵を倒しやすくなるのですが、1 連射しか効かず、前方への攻撃はレーザーに比べると格段に劣ります。

どのデメリットを受けどのメリットを得るのか、これはあれより作品に有効だと思います。

画面上の敵を何でもかんでも倒せてしまうとすっきりとはするでしょうが、駆け引きを生みにくいです。 ただゲーム性が高いことが全てではないので、それでも良いと思います。 ゲーム性にこだわりすぎると、派手さを損ねたりめんどくさくなる場合だってありますからね。 でも一味違うゲームを作りたいならば、単にあるゲームを模倣するのではなく、なぜそれが面白く感じられるのかを考えてみましょう。

17. ゲーム性を上げると、一般性が下がる

ゲーム性、リスクとリターンという考え方は、ゲームを楽しく刺激的にするものです。 反面、ゲーム性を上げすぎると一般性が下がるということを意識した方が良いと思います。

ゲームの駆け引きを重要視し、いろんなルール設定にすることは可能ですが、複雑に敷いたルールは分かりにくさも産みます。 ゲーム性を高めると分かっていても、手加減をすることはあって時では大事、それはゲームの狙いにもよります。 基本的なゲーム性の説明で、スーパーマリオについて解説しました。 言うまでもなくかなり面白い作品ですが、当時のファミコンゲーム水準でもあり、少し難しすぎるのではと思うところもあります。 マリオの肝は、敵にものすごく接近しリスクが最大に高まったところで、それを反撃手段に変えられる、というリスクとリターンがかなり近い位置にあることです。

ここで初代星のカービィについて解説したいと思います。 ある程度まで敵が近づいた場合、リスクはそこまで高くはない状態です。 でここで吸い込み、リスクが高まらないうちに相手を無効化できます。 しかも体力性、6回まで大丈夫。 さらに吐き出して攻撃、吸い込みより広い範囲で攻撃できます。 そして、いつでも空を飛べるという要素があります。 これは穴に落ちた時の一撃死が重いので、それを避けやすくしています。 もしも、カービィの吸い込み範囲を極小にしたり、体力性ではなく一撃死にしたら、あるいは飛行できなくしたら、操作性にもっと大きめの慣性を入れたりしたら、おそらくゲーム性は上がります。 バランスにもよりますが、駆け引きとしては妥当かなと思います。 だけど一般性は下がると思います。 リスクとリターンは適度なバランスであれば、ほぼ純粋に比例します。 つまり困難なリスクであるほど、それを避けた時の喜びはより強いものになるということ。 逆に言えばリスクが低ければリターンも低い。 ということは、初心者のためにリスクを軽くする仕組みを持たせたカービィは、ゲーム自体を面白くなくしてしまうという欠点もあるわけです。 がもちろんカービィが成り立っていないというわけではありません。 人によって、難易度に対する感じ方は違います。 ゲームの羅列さ人には小さいリスクだったとしても慣れていない人には、ゴーンと強大なリスクになっているということはよくあります。 初心者には優しくすべき。 初代星のカービィはそこを狙って制作したゲームではあるので、ぶっちゃけマリオよりもスリルがなく、言ってしまえばつまらなくても、役割としてはよし良しとしているのです。 一方、初代カービィでさえ難しいと思う層もいると思います。 できるのはスーパーカジュアルなゲームだけとか、スマホで操作系やルールをごく簡単に抑えたものでないと遊べないとか。 人類全員がゲームすべしとは全く思ってないので、それで良いのですが、こういった層に非常に多くの勝機がありそうなことも予感できるんじゃないかなと思いますけどね。

大まかに、ターゲットを意識する必要があるんだろうとは思います。 どこを狙ったら良いのかは、ゲームの企画とコンセプト次第、正解なんてありません。 ゲーム性が生じる理屈は理解した上で、狙いを定めていくというのが良いと思いますね。

18. 昇龍拳コマンド

昇龍拳!!やってみたかっただけです。 ゲーム業界で最も有名な必殺技の 1 つ、昇竜拳、それと同でえ有名なのはやっぱり波動拳ですかね。

1 番最初に実装されたのは初代ストリートファイターです。 1987年、アーケード作品この時の昇龍権はえ文字通り必殺技でした。 何しろ 2、3 発当てれば相手がすぐにやられるほどの強さ。 ただしものすごく出にくかったです、びっくりするぐらい出ない。 その昇龍拳コマンドをメジャーにしたのは、やはりストリートファイター 2。 当時こそそれなりの練習が必要だったとはいえ、初めてスト 2 を遊んだ時には波動拳や昇竜拳がこんなに出やすくていいのとびっっくりしたものです。 ただし威力の弱さにもびっくりしました。 が、昇竜拳コマンドというのがあります。 スティックを、前、下、斜め下に入れてから攻撃ボタン。 これにより多くの2D格闘ゲームでは上昇する対空技が出ると、さっきの昇竜拳とかですね。 この昇竜拳コマンド、リスクとリターンという観点では、極めてよくできています、できすぎだと思うぐらい。 最初に前に入れるストリートファイターシリーズでは、後ろにスティックを入れることでガードしますから、これは相手に対して危険に近づく行為です。 次に下に入れるしゃがみ中は、対空攻撃に対してガードできなくなりますから、空中攻撃に対しても無防御になります。 そして斜め前に入れる全身としゃがみの混合にしてどこも防御できない状態しゃがみガードは下段も防ぎますが搭載に切り替えることもできない状態です。 つまりスティックの体制としては、最大のピンチ、そこでボタンを押すとズバっと昇竜拳が出る。 とピンチだった対空に向いた技が飛び出します。 入力だけでもネタが満載ですが人通では仕様の細やかさも駆け引きに拍車をかけています。 昇龍拳、まず昇龍拳は根元が強くできています。 同じく出だし無敵で様々な攻撃をも跳ね返すとこれは相手を引きつけるば引きつけるほど有利であることを示しています。 相手に近いということは相手から反撃を受けやすい、近ければ近いほど逆転のチャンスがあるというのは非常にリスクとリターンに沿っています。 コマンドまでの適な難しさえコマンド完成までの見込み時間相手のジャンプや攻撃の速さ空振りした時のピンチ度合など、それぞれがバランス感覚が非常によく組まれていたため、大きな駆け引きを生んだものと思っています。 小中大ボタンで、ジャンプの大きさと強さが変わりますが、大はもっとガツンと強くしても良かったんじゃないかなとは思いますけどね。 リスクが大きい技はリターンも大きく。 ところで、スマブラのリュウやケンも、昇龍権コマンド受け付けます。 厳密には、テリーやカズヤやもリュウの場合、ボタン 1 つで昇龍券を出せますが、コマンド入力でも昇竜拳を出せます。 そしてコマンド入力をした時は、威力や無敵時間などでより優遇しています。 本当はゲーム性を考えるとコマンドはもっと強くしてあげた方が良いです。 だけどコマンド必須のようなバランスにし、コマンドできる人とできない人との格差を広げると、多くの人にとって難しくなりすぎてしまいます。 カジュアル性を踏まえ、現在のようなバランスにしているということですね。

実際、作曲家の下村洋子さんは、スマブラのリュウを触って、私にも昇龍権が出せたと喜ばれていました。 もちろんワンボタン版コマンドなしですけれども、同じ入力コマンドでもゲームによって狙いが違うので、意味を考えつつ設定できれば良いですね。 昇竜拳!!言ってみたかっただけです。

19. ランキングの功罪

オンラインなどのランキング、これは良いところも悪いところもありますね。

良いところは何と言っても目的意識を持たせられること。 ランキングも何もなく、ただ戦って終わりだとつまらないです。 頑張った成果が、より上を目指す動機と繋がっているということは大事。 もう 1 つ、マッチングで同じくの実力差を持つ人を探す指針にもなります。 ただ通信対戦において同じ実力差の人が十分な通信速度を持てるほど、近で同じ時間にプレイしているなんて、一般的には極めて稀なことです。 特に人口が少ない場所のことは一考しなければなりません。 マッチング幅を狭めるとずっとマッチングしないし、幅を広げれば実力差が大きい人とマッチングしてしまう。 これはなかなか埋めがたいところですね。 ランキングの悪いところは大げさに表現するなら、永遠に劣等感を得ることでしょう。 1 位にもならない限りは達成できないのだから、ずっと負け続けているとも言える。 ただこれは気の持ち用で、実際にはずっと勝ち続けているとも言えるんですけどね。 ただランキングだと、その実感は薄いかもしれません。 どんなに頑張っても4001位とか1万位のように表示されていたら、やっぱりやる気もあんまり出ませんよね。

ある程度の解決のために、スマブラでは世界戦闘力という仕組みを入れています。 これは逆引きランキングで、世界のプレイ人口の最大数を分母ににして、その中でどれぐらいの強さなのかっていうことを数値化したものです。 つまり低いほど良いとしたランキングが高いほど良いものになっている。 うまく機能していないところもありましたが、普通にランキングを行うよりはずっと良いと思っています。 特にスマブラ、めちゃめちゃ多くの人がプレイしていますから母数も大きいです。 今何百万なんて言われても嬉しくはないですよね。 また世界のトップを出さないようにできます。 これはトップ層のごく一部の人を除けば、見てもしょうがないこと。 自分との差に諦められるだけですからね。 チートを使い、誤ったデータがアップされる可能性もありますが、それを自然に除外できるのも良いところです。 加えて、VIPルームというものを用意しています。 上位者に選ばれしもである満足感を与えつつ上位者が VIP 対戦を行うことで、ランキングが低い人に対する流入を防ぐことができます。

ランキングのあり方について何らかの参考になる事例だと思います。 当たり前のことが当たり前でないので、普通のランキングから抜け出す方法も考えてはみたいところですね。

20. 遊びって、何?

人間がする遊びというのは一体何なのでしょう。 遊びは動物だってしますが、うちの猫でもしますけど、それは置いておいて。

遊び長く見てゲームの面白さの本質解説として多く引用されてきたものに、「遊びと人間」という本があります。 1958年ロジェ・カイヨワの書。 人の考え方をただ引っ張ってくるというのは私はあんまり好きではありませんが、ここでもあんまりしないですよね。 でも役立つのでご紹介しますと、遊びというのは 4 つの要素があると定義されています。

アゴン、つまり競争のこと。 これは現代で言えばスポーツの対戦ゲームも含まれますね。

アレア、これは偶然。 ギャンブルやランダムなどですね。

ミミクリ、模倣。 何かに似せたものシミュレーションとか職業ゲームとか。

イリンクス、めまい。 ジェットコースターや高速スクロールを想像してもらえれば。

ちょっと聞いただけでも全て現在のコンピューターゲームに当てはまりますよね。 ゲームの魅力の全てを網羅できるとも言えませんが、要素分解は大事だし何より面白いですね。

私の言うゲーム、つまり駆け引きとは主に、アゴン、競争のことを指します。 単純にフィジカルでの有利不利ではなく、必殺の一手が勝敗を分けると。 まあ、私が作るゲームとしてもアレア、ミミクリ、イリンクスの要素ももちろん多く入っています。

アレア、偶然は、ランダムを使った仕様など、いっぱいありますから、偶然出たアイテムが勝敗を分けたり。 ミミクリ、模倣はゲームの情報量、豊かさを増やしてくれます。 硬そうな床や大きく振りかぶる技、ヒット音は痛そうだと認識できるのも、現実があるからです。 イリンクス、めまいは生理的な気持ちよさです。 苦難の末、相手を気持ちよく吹っ飛ばした時とか落下するのが怖いというのも、イリンクスに関係があります。

遊びと人間の考え方は今まで当たり前のように思っていた遊びの本質について、気づきを与えてくれるかもしれません。 といったところでご紹介終わり。

なお、私自身の遊びに対する考えも申し添えておきます。 遊びは、人が活力を得て生活をするための訓練のようなもの、だと思っています。 何か行動して楽しく思うこと、そこから生まれる身体、精神、知性などを含めた様々なこと。 運動、反射、考察、知性、感情、ルール、そして社会とか。 子供の時から何気なく繰り返す遊びというのは、様々な無形な価値を与えてくれます。 また遊びは、本来そういった訓練というようなハードの印象ではないですよね。 その後の癒しになったりもします。

生産行為とは関係ない、仕事とは関係ない、意味のないことに喜び楽しむ。 これは意味がないなんてことは全然なくて、人が人らしく暮らしていけるための、様々な試みなのではないかなと考えてる次第です。

21. キャラゲームはらしさが第一

何のタイトルがそうだというわけではなく、一般論ですがあくまで。 いわゆる版権もののゲームって例外はあれど、普通のゲームと比べてあんまり面白くないと言われ続けてきました。 それはもうファミコンゲームやそれ以前の時代から、つまり 80 年代から言われてきたわけで。 でも私は純粋な面白さを基準にして版権ものが普通のゲームに及ばないのは、自然で当たり前のことではないかなと思っています。

まずキャラクターゲームが普通にできるゲームに対して、面白くなりにくいのはなぜか。 理由は多々ありますが特に大きめなのは、原作がゲームデザインの縛りになるから。 ゲームとそれ以外の物語の適切な見せ方は大きく異なりますが、その両方を満たして噛み合わせのは至難の技です。 原作からストーリーや設定の改変がしにくいことに加え、原作をなぞるストーリーはすでにネタばれていることなども難しいですね。 そんな見もで原作の設定がゲームそのものの核として生きる幸運な例もあります。 その筆頭にあげたいのはやはり、女神転生シリーズ、ペルソナシリーズはこの流れを組んだものです。 女神転生は最初は小説でした。 コンピューターで悪魔を呼び出して戦うという設定はゲームとの相性抜群でした。 もちろんゲーム製作者の腕前がなかったらこうは行きません。 悪魔合体はゲーム独自の設定ですしね。

話を戻しますが、版権ものやキャラクターゲームにおいて最も求められることは何か。 それは原作らしくあることです。 またファンの好きという気持ちに答えられることです。 そのタイトルの製品軍の1形態であることが求められます。 コミック、アニメ、フィギュア、イベントそしてゲーム。 製品を適切なタイミングでリリースできることも求められるでしょう。 ゲームとして駆け引きが正しいとかとても面白いことは優先順位が低いです。 製品性と面白さ両方満たせれば抜群なのでしょうが、何でもかんでも全方位に満点ということはないですからね。

ナルトシリーズの戦闘イベントアニメーションは実にお見事でした。 ゲーム制作側が素晴らしいアニメを作り、アニメ制作側がそれに負けんと頑張り、お互いに高め合ったことだってあるのではないかなと想像しています。

なおこれは余談ですが、スマブラだって立派にキャラクターゲームです。 が、だからと言って、版権ものと同じように、キャラクター性や設定を変えるわけにはいかないから、普通のゲームよりやはり縛りが多いです。 その中で技を比較的自由に考えられるものは、フォックスやキャプテンファルコンでした。 何しろこの人たちパイロットなので、原作ゲーム内の振る舞いがあまりありませんでしたからね。 キャプテンファルコンが原作で腰の銃を積極的に使っていたら、そういうファイターになっていてえ接近単打のファルコンパンチはなかったかも。 これはあくまで 1 つの例ですが版権ものは難しいんです。

22. アクションゲームのゲーム性

横画面、見下ろし画面、3D画面を問わず、アクションゲームいわゆるジャンプがあるようなタイプのゲーム性にはいろんな形があります。 どのタイトルを見ても演出はだいぶ極まっていて発展しているタイトルだと言えますよね。 今回はかなりシンプルにいろんなアクションゲームによるゲーム性をまとめてみたいと思います。

基本的なおおさいですが当番組ではリスクを犯してリターンを得ることがゲーム性だと定義しています。 これから説明するそれぞれのアクションは全て危険とチャンスが表裏一体になってることを意識してご覧ください。

まず単純にジャンプ。 崖際はギリギリを狙ってジャンプするほど大きな穴を超えられる。 だけど崖から落ちやすくなる、これはリスクとリターン。

ダッシュ、走行する。 ダッシュすれば早く移動ができる。 反面制御しにくくて隙ができたり、スタミナが減ったり、敵や危険ゾーンに突っ込んでしまうこともある。 これはリスクとリターン。

敵に近づくと攻撃できる、敵から遠いと攻撃できない。 敵に近づくとやられる可能性ができるけど、攻撃できるようになる。 これはリスクとリターンが分かりやすい。

銃器で敵を打つ。 一方的に攻撃できるけど、弾数などのリソースを食う場合がある。 遠距離であればあるほど、弾数が少ない場合も多いと思う。 また相手からも打たれる可能性がある。 位置取りなども含めたリスクとリターンがある。

回避する。 相手の攻撃を寸前で交わすことができる。 一方で行動が不自由になるなどのデメリットがある。 発展系にパリーなどがある。 攻撃をギリギリまで引きつけることは、非常に高いリスクをすんででリターンに変える面白さがある。

隠れる。 隠れている限り攻撃はできない。 リスクを抑えるとリターンも減る。 相手の接近を待つのもリスクを受けること。

など、今回はそれぞれあまり掘り下げず数を出してみました。 当たり前のようでいていろんなものにリスクとリターンがあります。 それぞれのゲーム性の意味を考えることでより面白いものにできる可能性が増えます。 模倣を超えるようにしましょう。

23. 作業ゲームを面白くするには

私はゲーム性は駆け引き、リスクとリターンであると公言しています。 これは昔から提唱する考え方、がそれがゲームの楽しさを全て内包するわけではありません。 駆け引きがなくたってゲームを面白く感じることはあります。 そんなゲーム性がない、あるいは少ないけれど面白いゲームをいくつかご紹介してみます。

カーメカニックシミュレーターなど、メカいじりシミュレーター系。 特にリスクもペナルティもないのだけど黙々と作業してしまいます。 お車を良い状態に持っていくのは楽しいな。

クッキークリッカー、おばあちゃんがクッキーを焼くゲーム。 指数関数的にクッキーの生産量が増え、よくわからない世界を見せてくれるのも魅力です。

ハウスフリッパー、簡単に言えばリフォームのゲーム。 お部屋が片付くのは嬉しい。 ちゃんとプレイするとなんだか自分のお家に近づいていきます。

パワーウォッシュシミュレーター、高圧洗浄機で車や家公園などを綺麗にしていくゲーム。 本当にそれだけそれだけなんだけど、綺麗になっていくのは嬉しい。

それらに共通することがいくつかあります。 現実世界の何かがモチーフ、何かが儲かる、黙々とプレイしてしまう、時折り、時間の浪費だと思えるかも。

上から順にまず、現実世界の何かをモチーフにすることは、それだけで頭の中の情報量を増やしてくれます。 同じ作業でもリフォームや洗浄となると、終わりのイメージに向かっていくのがより感じられるので、仕事をする意欲が湧くと。

何かが儲かるということは、仕事をする、儲かる、仕事を楽にするツールやスキルを買う、という流れははまります。 もしこれがなければゲームの寿命は極端に減ることでしょう。 真っ先に考えなければならない要素のはず。

黙々とプレイしてしまう、これは今まであげたものの結果です。 人は仕事や単純作業というのを、楽しく感じるようにできているんですよね。 相乗効果で何やらやめられなくなっていきます。 明解なエンディングがないなら割り切って、先が全く見えないぐらい遠いようにするのも良いかと思います。 クッキークリッカーとかそうかな。

そして最後の時間の浪費感について、これはゲームの永遠のテーマではありますが、今回あげたような作品には最終的な目的も終わりらしい終わりもないことが前提なので。 でもはまるとなんかやめられない。 駆け引きがなくとも非常にゲームらしい。 その上で、面白さを出すなら仕事と儲けとパワーアップのバランスが大事で、加えてごっこ遊びの妙が加わるとベストといったところでしょうか。

私もこういったゲーム大好きでですねえ。 黙々と仕事をしてしまう。 いい加減やめないと、と思わない限り止まりません。 もしかして、もしかしてなんですけど私仕事好きなのかなあ?

24. クリアできないよりマシ

ゲームは勝ち負けギリギリの時に最も高いカタルシスを得ます。 そしてゲームの端々でそのカタルシスを感じられるようにできています。 しかしどうしても難易度的にクリアできなかったら。 何十時間もかけたゲームなのに、最後の最後が難しすぎてクリアできなかったら、これは何にしても避けたい事態です。

昔ながらの RPG などなら、根気よくレベルアップを続けることで勝ち目も出てくることでしょう。 これはシンプル、かつて RPG が隆盛を誇った根本です。

問題は普通のアクションゲームなど、強化による逃げ道がない場合。 一部シミュレーションゲームなどにも当てはまるかもしれません。 プレイヤースキルの成長に期待すると言っても、ある一定以上は耐えられません。 負け続けると難易度を下げることを推奨してくるゲームがあります。 屈辱感はかなり高いですが、クリアできないよりはマシかもしれません。 難しいステージをスキップできるゲームもあります、クリアしたことにしてしまう。 これも先に進めなくなるよりはマシ。 ゲームの根本的な楽しみを添いでも、クリアできないよりはやはりマシ。 その調整が途中でできないため、やり直しになるようなゲームは設計上、問題があるとさえ言えるのかもしれません。 しかし、いくらギリギリの駆け引きが楽しいからと言って、途中で諦められてしまえばそこまで無価値になります。 昔のように、ヒリヒリとした戦いをするのは時代に合わないのかもしれません。 反面そういったゲームらしいゲームがメガヒットすることもあります。 最初から初心者向けに特化した、星のカービーを作っていた私としては、プレイヤーには優しくしたいです。 だけど、ヘビーゲーマーとしての遊ぶ方の自分としては、ギリギリを求めたい瞬間もまああります。 さじ加減が難しいところですが、今回の結論としては、屈辱感がない範囲で何らかの急策を持たせることをお勧めしておきます。 ゲーム中に難易度変更できるだけでもだいぶ違うはずです。

もちろん親切を無視してヒリヒリした戦いを強いるのもコンセプトです。 それによってしか生まれない快感もあります。 だけど、どこのゲームでもユーザーがついてきてくれると思わない方が良いですね。

25. 強制感と攻略バランス

特に任天堂の作品などにおいて、ボスなどの攻略方法がかなりはっきりしていることがあります。

目玉を特定のタイミングで打ち、ひるんだところを剣で切るとか。 これは制作者が丁寧に作った攻略の道筋です。 だけどゲームする私としては、自由にやらせてくれる方が好みではあるかなと思います。 攻略などに強制感があると、チュートリアルみたいですからね。 これはこれで工夫している感触は得られるし、多くの指示を受ける秘訣の1つですが、個人的にはああしろこうしろとゲームからあんまり言われたくないです。 だけどそれもゲームの正解の形。

悪魔城ドラキュラシリーズなどは、どんな武器を使ってどのように攻略するのも自由です。 プレイヤーの数だけ攻略法があります。 ただ攻略方法を人為的に作ったものに対し、やはり大味気味になります。 駆け引きは生じにくいだけど、これもまたゲームの正解の形。 しっかりした攻略方法があり思考錯誤の上でそれを見つけて撃破するのもゲーム。 多彩な武器の中から自分が得意なものや相手に有効なものを探ってそれで撃破するのもゲーム。 どちらが正解ということもありませんが狙いを定めることは必要です。 何らかのゲームをただ参考にして企画するというものではなくて、学べるところは学んだ上でそのゲームのシステムに合うようにバランスを取れれば良いですね。

なお、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドではあまり強制感、これしか手がないというような攻略は少なくだったような気がします。 もしかしたらこれも、ゼルダの当たり前を見直した結果なのかもしれませんね。

26. 戦略シミュレーションのゲーム性

戦略シミュレーションゲームのゲーム性、つまり駆け引きとはいくつかありますが、戦力という観点で解説してみます。 これはいわゆる MOBA 系やカードゲームなどにも転用可能な考え方です。

同じ戦力を同じようにぶつけると概ね引き分けになりますよね。 出ないととは言えません。 そしてじゃんけんは知ってますよね。 グーとチョキとパーがあったとして、グーはチョキに、チョキはパーに、パーはグーに勝つという三すくみです。 グーチョキパーを同じ組み合わせでぶつけると引き分けてしまう。 その組み合わせを戦略で変え圧勝させるというのが、戦略シミュレーションの根本的なゲーム性です。 グーだけが安いのでより多く用意できたら、パーが2倍の攻撃力を持っていたら、チョキが相手を飛び越して攻撃できたら。 そんなパワーと特性の差がゲームを深めていきます。 歩兵は戦車に弱い、戦車は攻撃ヘリに弱い、攻撃ヘリは対空砲に弱い、そして対空砲は歩兵に弱いとか。 それらしさを踏まえつつ、明解な長所と短所それを呼ぶためのコストなどを勘案し、ゲームに深みを出していきます。 ランダムで相手の攻撃を避けるよう仕組みがあることが多いですが、極力排除しても成立するかもしれませんね。 同じ戦闘で結果に差が出ることから油断できない感じは出ますが、ランダムはややアンフェアな印象もあります。

一方将棋やチェスの場合、これはユニットの戦力ではなく攻撃範囲で駆け引きを生みます。 いわゆるマップ兵器や距離射程攻撃などもそうなのですが、なるべく効果が上がる位置取りをするゲーム。 これも同じ戦力で一方的に相手を倒すようにする遊びです。 考えることやできることが多くなると、戦略性とそれによるゲーム性は増しますが、やはり適切に長所単子をつけていくことは大事です。 特にビデオゲームなら計算は得意ですから、この効果を細かく設定することはしやすいです。

うまく戦略がはまると気持ちいいその気持ちよさを演出するため、性能と相性は元気よく突き詰めていきましょう。

27. どれぐらい良いことをした?

ゲームの難易度やご褒美、ペナルティを決める際には、プレイヤーはどれぐらい良いことをしたのかという考え方を踏まえていくのが良いと思います。

例えば、ゲーム内で取り返しのつかないことをした時、あるいはそういう要素がゲーム内にある時。 それだけ悪いことをしたならば、思いきり大きなペナルティを与えるのも一です。 が、それはそれでなのかどうか、あるいは挽回にどれだけの労力がかかるのか。 これは大償を問わず、ゲーム内のいろんな見直しにつながります。 シナリオの都合で考えてしまいがちですが、プレイヤーはそれほど悪いことをしたのかどうかということを振り返ってみることは必要でしょう。 ゲーム内で何らかの仕事をした、成果が出た、あるいは失敗をした。 そういったことのそれぞれは、その結果が適切に反映されるべきでしょう。 スマブラの弱攻撃とスマッシュ攻撃の差、素早く隙が少ない弱攻撃と、出るまでに遅い上に隙をさらしてしまうスマッシュ攻撃。 後者の方が当てたら偉いのだから、それに見合った攻撃力、吹っ飛ばし力を持たせます。 スコアを競ったりするゲームでは、その敵の強さや倒しやすさに順じて得点を決めるのが基本ある意当然ですよね。 攻撃をする場所によって、スコアやダメージが異なるといったものも、部位破壊などを行うと相手の攻撃が弱くなるといった攻略要素も、どれぐらい良いことをしたのかという考え方で整理できます。

プレイヤーにとってはその行動が正しく評価される方が良いので、プレイヤーはどのぐらい良いことしたのか見直してみてください。 ただしやりすぎるとゲームが丸くなり刺激を損ねます。 不条理感を軽く脱ぐ程度にしておきましょう。

例えば、定石を大胆に思いっきり変えて、いきなり大儲けできるという敵を設定するのもありです。 そして、それを逃げるなり硬いなりで非常に倒しにくくすることで、レア感のある目的意識を持たせるということもできますね。

28. 長所を伸ばし、短所も伸ばす

これはバランス調整の話です。

スマブラのファイターバランスは、バランス調整犯が毎日対戦を繰り返したり、オンラインなどの対戦成績を元にしつつ要素を上げて調整をしています。 その中で起こりがちだったこと。 何かの強みが強すぎた時、その山を削ろうとしたりえ逆に短所を埋めよとしがになりますね。 当たり前といえば当たり前だし、そうせざるを得ないこともありますが、それは滅びの道。 ファイターなどが同じ性能に近づくということは、同キャラ体勢に近づくということです。 単純に面白くない。 多くのファイターから同じファイターを選んだというのとは異なり、ゲームとして墓地個性になっていくということです。 スマブラを含む私のゲームはでこぼこしていることを良しとします。 それぞれ強みもあるけれど弱みもある。 賛否両論があるのが当たり前というかないと困るんです。 誰かは A が強いと思う、誰かは B が強いと思う。 だったら勝負で決めようじゃないかという世界なので。

SNS やエコーチェンバーなどにより昔より偏見が広がり、やりにくなった印象ありますが、ひるんではいけません、作り手は。 ファイターなどのメリハリはゲーム自体活力息の良さです。 ダイナミックレンジは可能の範囲でぐっと大きく持った方がいいです。 単純に攻撃 1 つとっても色々な要素があります。 単純に攻撃力とかではなくて発生の速さ、発生の持続、出るまでの速さ、フォロースルーの長さ、攻撃当たりの大償、モーションによるスピード、飛ばしやすさ、コンボとか、シールド削りやシールド硬直などなど、技単体をどうしても調整せざるを得ないような場合。 例えば、攻撃力の高さは個性だから、残しておいてフォロースルつまり後隙の長さというのを上げようとか、判定を小さくしておこうとか、いろんな調整方法があると思います。

分かりやすいのでスマブラの例をあげましたが、対戦を含まないような他のゲームにも同じことは言えると思います。

使えるもの、つまり技などが多くある場合、バランスはヘボにしない。 でこぼこさしてこそこ、ういった違いがあるからこそ、自身が好きなものが生まれてくるのだと思います。

29. ハンデをつけてバランス調整

チーム内でゲームバランス調整をすることはよくありますが、アクションゲームの場合、多少雑に言いますがいわゆる死にゲのような攻略が厳しいゲームの調整は、実はあまり難しくありません。

開発スタッフなどはゲームに慣れていますからその開発者がギリギリクリアできるようにすればいい。 クリアできることは保いるけれど概ね全てを熟地した人がなんとか勝てるとなれば難しくなることは間違いないです。 もちろんチーム内でも、ゲームのうまい人うまくない人がいることでしょう。 よりうまい人に合わせるほどクリアは困難になります。 ただ本当にうまい人に合わせてしまった場合、それ以外の人はゲームを購入しても最後までいけないということになります。 これはつまらないですよね、率直に。

開発スタッフの中でも腕前が平均的中ぐらいの人に合わせたのだとしても、慣れた人が苦戦するのだからまだまだ難しいことでしょう。 そのゲームばかりプレイしているわけではないのだし。 もちろん慣れていない人を呼んでいきて、最初からプレイしてもらうのは1番ですが、それは最後まで通せたりするような時間は大抵の場合はないし、呼んできた人もそのうち慣れるので、同じ人で2回3回目というリトライはできません。 とりあえず慣れた開発者よりもグっと難易度を下げなければならないことを念頭に操作にハンデをつつけるようなことはやっています。 例えば片手でプレイする。 ゲームには慣れているけど、孫つくのである程度のハンデにはなります。 体力を減らすなど物理的なハンデをつけるとか、条件を厳しくするとか。 それぞれの人の腕のはかなり激しく何にしても正解はありません。 難しいところを頑張って攻略するからこそ得られる喜びもあります。

が、開発に慣れている場合、自分たちが標準だと思わず思ったよりも下げるぐらいでちょうど良いと考えた方が良いですよ、というお話でした。